
◆運動の仕方で免疫力に変化
体に良いとされている運動も、強度によって免疫力を下げてしまいます。
私も以前、ウルトラマラソンに出ていましたが、100キロ近くを1日かけて走り続けるというハードなランニングで、これがあった月は大人しくしていないと、風邪を引きやすいです。
自覚症状としての疲労は数日で取れますが、過信しているといつも引かない風邪をひきます。
これは過剰な運動が、人間の免疫力を下げてしまった結果です。
アスリートの場合、自分の限界を上げていかなければならないので、かなり危険な域のトレーニングを注意しながらする事になります。
しかし、健康を目的としたトレーニングの場合は、自分が気持ちいいなあと思えるくらいの運動を「続ける」ことが免疫力アップにつながります。
健康だと思っていても、知らないうちに免疫力が低下していることがあります。その要因となるのは加齢や生活習慣など。加齢は避けられませんが、生活習慣は改善できます。
◆免疫低下の6つの要因
・激しい運動をする人
・睡眠不足気味の人
・高齢者・乳幼児・妊婦
・生活時間が不規則なシフトワーカー
・ストレスがかかる受験生・ビジネスマン
・栄養が偏りがちな人
免疫を司るT細胞やB細胞、リンパ球などの免疫細胞は、骨髄に存在する造血幹細胞から分化して生まれます。しかし、加齢とともに免疫細胞に分化する力が落ち、正常に働く免疫細胞が減ります。加えて、新たに生まれた免疫細胞自体の機能も若いころより低いため、年を重ねるにつれて免疫力が落ちるのです。
強いストレスを受けると自律神経のバランスが乱れ、IgA分泌が低下するなど免疫力が弱まります。
睡眠は美容だけでなく、免疫にとっても重要です。
生活時間の乱れも要注意。動物には体内時計(サーカディアンリズム)があり、自律神経や体内のホルモンの分泌などを制御しています。しかし、生活時間が乱れるとそれらが乱れ、免疫力が低下して、様々な不調が現れてきます。
食生活では過食を防ぎ、バランスの良い食事をすることが大切です。肥満も痩せも死亡リスクが高くなるからです。特に日本人は、肥満でなくても内臓肥満型で糖尿病のリスクが上がることが分かっており、糖尿病患者は感染症やがんのリスクも上がります。