
HIT(別名hiit)とは、インターバルトレーニングを発展させたものであり、
高強度で短時間の運動を繰り返しつつ、
短時間の低強度運動を挟むトレーニングのことです。
インターバルとは、運動と運動の間に休憩を入れる形です。
運動も、休憩も一定時間が決められています。
最近注目され、多くの動画が配信されているのがその内の「タバタ式」です。
HITにはもう一つGibala式というやはり、
人名のついたインターバルトレーニングがあります。
この2つの違いは何でしょうか?
また、HITを効果的に行うために、トレーニング方法を押さえておきましょう。
HITは、どのような効果が期待できるでしょうか。
タバタ式トレーニングは、日本人が考案したHIT・hiitです。
疲労困憊になる運動であれば、ダッシュやバイクマシンなど、
どのようなトレーニング方法でも取り入れることができます。
そのため、
タバタ式トレーニングは、
バイクマシンなどの器具を揃えなくても行えるので、
比較的取り組みやすいです。
そんなタバタ式のHITでは、持久力の向上が期待されています。
ここからは、タバタ式のHITで期待できる効果について、詳しく見ていきましょう。
(1)タバタ式
タバタ式のHIT・hiitでは、20秒の運動と10秒の休息を1セットとして、
合計8セットで構成されてます。
タバタ式のポイントは、トレーニングを通して体を疲労困憊にすることです。
そのため、疲れ果ててバテバテになるような運動であれば、
ダッシュやバイクマシンなどトレーニング方法は問いません。
したがって、タバタ式は、自分にピッタリのトレーニング方法で取り組むと良いでしょう。

【持久力を高める】
タバタ式のHIT・hiitでは、持久力を高める効果が期待されています。
なぜなら、2つのエネルギー供給機構を同時に刺激することができるためです。
ここで言う2つのエネルギー供給機構とは、
有酸素性エネルギーと無酸素性エネルギーを指します。
有酸素性エネルギーとは、酸素を取り込んでできるエネルギーであり、
主に有酸素性運動で鍛えることが可能です。
また、無酸素性エネルギーは、酸素を使わずにできるエネルギーのことで、
主に中距離走のような運動で鍛えることができます。
上記2つのエネルギー供給機構を鍛えることは、
持久力アップにつながるとされているのです。
タバタ式のHITは、
2つのエネルギー供給機構を同時に鍛えられるので、とても効率的と言えます。
したがって、持久力を効率よく鍛えたい人は、
タバタ式のHITに取り組むと良いでしょう。
【ウォームアップとクールダウンをきちんと行う】
タバタ式HIT・hiitを効果的に行うためには、
ウォームアップとクールダウンをきちんと行ってください。
なぜなら、タバタ式HITは、
疲労困憊にさせるための高強度トレーニングだからです。
運動時のケガ予防には、
ウォームアップとクールダウンのストレッチを
きちんと行うことが必要となります。
運動前のウォーミングアップでは、
動きながら行う動的ストレッチがおすすめです。
動的ストレッチを行うことで、心拍数や血流量を増加させ体温を上げながら、
関節の可動域を広げる効果が期待できます。
また、運動後には、
動きを伴わずに数秒間伸ばし続ける静的ストレッチを取り入れましょう。
静的ストレッチでは、運動時に収縮と弛緩を繰り返し緊張状態が続いている
筋を、体温や心拍数の低下に合わせて時間をかけて弛緩させることができます。
ケガ予防には、運動前後の適切なストレッチを取り入れましょう。
(2) Gibala式
Gibala式のHIT・hiitでは、30秒間の全力で自転車をこぐ運動、
4~5分間の休憩を挟みながら4~6セット行います。
また、Gibala式では、上記のトレーニングを週3回実施することが基本です。
Gibala式インターバルは、
・30秒で疲れ果てるように全力を出し切る
・4分間のレスト
これを4本から6本繰り返すインターバルトレーニングだ。
実験は自転車のエルゴメータでのトレーニングしていますが、
ランニングでも同様の効果が得られると考えられます。
4本ならば、全力疾走合計2分、休憩12分の合計14分。
6本ならば、全力疾走合計3分、休憩20分の合計23分で終了。
トレーニングの時間は短いですが、30秒は全力疾走する必要があります。
トレーニングの前には、10秒ほどの疾走を取り入れた5分ほどの
ウォーミングアップをすると良いでしょう。
Gibala式(ウィンゲート式)インターバルの効果
Gibala式を行うグループと、持久的トレーニングをするグループの
2つのグループで比較すると、
・Gibala式インターバルグループ
30秒 × 4本から6本 休憩4分
を2週間で6セット。
30秒の全力を2週間で30回行う(全力時間は合計15分)。
・持久的トレーニンググループ
65%(最大心拍数)=ジョギング程度の運動強度で90分から120分
を2週間で6セット。
2週間で合計630分のトレーニングを行う。
両グループは、細かい点で差はあるものの、ほぼ同様の効果が出ています。
効果が大きく見えたのは、
「実験前のVO2max80%の強度の運動での疲れ果てるまでの時間の延伸」です。
Gibala式インターバルを2週間行ったことで、継続時間が2倍になりました。

タバタ式もGibala式も、結果が出るまでの期間や頻度は、
概ね1日おきに実施して最低2週間の継続です。
そして、こういう運動テストの被験者は、若者が多いので、
結果が短期間に出やすいです。
中高年にそっくりそのまま当てはめるのは、都合が良すぎるかもしれません。
短時間で済むとはいえ、そのセットをある一定の期間継続しなければ、
結果は得られないという事です。
